電子カルテと診療予約システムの連動は必要?導入前のポイントを解説│MEDICALPASS(メディカルパス)

電子カルテと診療予約システムの連動は必要?導入前のポイントを解説

パソコン 医師

クリニックの予約管理の手間を削減し、待ち時間の短縮に役立つのが診療予約システムです。診療予約システムは、電子カルテと連動させることで、さらなる業務効率化につながります。

しかし、連動が重要と耳にするものの、具体的なメリットがわからないクリニック経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。本記事では、電子カルテと診療予約システムを連動させるメリットを解説します。連動パターン別の選び方についても紹介しますので、システム選定の参考にしてみてください。

診療予約システムとは?

受付病院

診療予約システムとは、Webを通じて24時間いつでも診療予約ができるシステムです。スマートフォンやパソコン、LINEなどから手軽に予約ができます。予約の利便性が向上し、患者の満足度には欠かせない要素です。

また、診療予約システムを導入することで、スタッフの電話対応の負担軽減やミスの防止など、受付業務の効率化と質の向上につながります。

診療予約システムの導入について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事も参考にしてみてください。

関連記事:診療予約システム導入のポイントは?メリットや注意点、選び方を解説

電子カルテとの連動を考慮した診療予約システム選びが重要

診療予約システムは、サービス向上や業務効率化に役立ちますが、電子カルテとの連動を考慮して選ばないと手間が増える恐れがあります。適切に連動していないと、予約システム上の患者情報や予約時間を電子カルテにも入力しなければならないからです。

そのため、診療予約システムを導入する際には、電子カルテとの連動を考慮して、自院に適したシステムを選ぶことが重要です。診療予約システムの導入により、どのような効果を得たいのかを明確化し、適切な機能を連動させる必要があります。

電子カルテと連動できる3つの機能

電子カルテと診療予約システムを連動させる場合、どこまでを連動させるかで運用方法が異なります。電子カルテと連動できる診療予約システムの機能は、次の3つです。

  • 患者属性(頭書き)
  • チェックイン(受付処理)
  • 再来予約

1.患者属性(頭書き)

患者属性(頭書き)の情報を電子カルテに連動させる機能です。電子カルテに登録された氏名や生年月日、住所などの患者情報が予約システムと共有されます。一度来院した患者であれば、情報を入力しなくてもスムーズに予約が可能です。

また、クリニック側でも、予約システム上の情報が自動的に電子カルテに反映されるため、どの患者の予約が入ったのかをすぐに把握できます。

2.チェックイン(受付処理)

診療予約システムで患者が受付処理を行うと、受付した情報を電子カルテに飛ばせる機能です。

診療予約システムの機能として、QRコードやバーコードを読み取ることで来院時の受付が完了できるものがあります。例えば、患者ごとにバーコードを発行し、それを診察券の裏側に貼り付け、読み取ることで受付処理が完了します。チェックイン機能を電子カルテと連動しておくと、受付業務の効率化につながるでしょう。

ただし、予約外の患者の扱いをどうするかが運用上の課題となります。例えば、遅れて来院した患者がいても、電子カルテ上は予約時間順に表示されます。必ずしも呼出し順で表示されるわけではないため、どのように運用するのかを決めておくことが必要です。

3.再来予約

自動精算機などと連動し、会計時に次回の来院予約を取得できる機能です。取得した予約は電子カルテにも反映されます。患者が会計時に画面上で予約できるため、スタッフの手間の削減や継続的な来院につながります。

しかし、診療予約システムだけでなく自動精算機など、他のツールを導入する必要があるため、コストがかさんでしまう点がデメリットです。

電子カルテと連動するためのシステム選びのポイント

電子カルテと連動させるのに適した診療予約システムを選ぶ際には、次の3つを重視しましょう。

  • クリニックの状況に応じて選ぶ
  • 情報セキュリティを確認する
  • 費用対効果を検討する

1.クリニックの状況に応じて選ぶ

電子カルテと診療予約システムの連動を検討する場合、クリニックの現状と課題を明確にすることが重要です。日々の業務での課題を解決できるよう、運用の方法を考慮します。

クリニックが抱える課題によって、最適な連動方法が異なります。例えば、業務効率化を優先する場合、チェックインや再来予約の連動が有効ですが、予約のプロセスが煩雑化する可能性もあるでしょう。課題別に運用方法の選び方を紹介しますので、参考にしてみてください。

スタッフが予約管理業務に追われている場合

予約管理にスタッフの時間が取られている場合、チェックインや再来予約の連動を検討してみましょう。来院患者数が多いにもかかわらず、受付スタッフが1~2人しかいないなど、人手不足の場合は業務効率化を最優先に考える必要があります。

予約枠の管理が複雑なクリニック

次のような複雑な予約方式をとっているクリニックでは、ルールを電子カルテに反映できる方法が求められます。

  • 診療内容により予約時間が異なる
  • 初診と再診で予約枠をわけている
  • 検査と診察で異なる時間枠を設けている

上記のような方法は、人手によって呼出し順を調整する必要があります。例えば、9時45分に検査と診察をセットで予約している患者の場合、検査時間によって10時予約の患者を優先するかどうか、順番の調整が必要です。予約から受付までを自動化すると、機械的に9時30分予約の患者が優先されてしまい、検査が終了していないと10時予約の患者の順番が来ません。

予約枠の管理が複雑なケースでは、システムによる自動化を目指すよりも、スタッフの判断を生かせる範囲で運用することが大切です。

高齢患者が多いクリニック

高齢患者が多く、Web予約やデジタルツールに慣れていない患者層が多いクリニックでは、予約手続きが煩雑でない方法が適切です。例えば、診療予約システムでは、初診時と再診時の予約方法が異なる場合があります。初診時にユーザー登録が必要で、再診時は情報の入力の必要がなく手軽に予約できるなどのケースです。

Webを通したユーザー登録は、高齢患者にとって煩雑で理解しにくい可能性があります。初診時は電話での予約受付のみとし、再来予約から自動化するなど、患者の工程が少ない方法が適しています。

2.情報セキュリティを確認する

電子カルテには、患者の個人情報や医療情報が含まれているため、連動する場合にはセキュリティ対策が特に重要です。ウイルス感染や個人情報の漏えいには注意しなければなりません。具体的には、以下の対策が取られているかを確認しておきましょう。

  • ネットワークのセグメンテーション(電子カルテと診療予約システムのネットワークを分割)
  • 固定IPアドレスの利用(アクセスを特定の端末に制限)
  • データの暗号化(患者情報を暗号化して送信)
  • 二段階認証など強力な認証方式の採用
  • 定期的なセキュリティチェック体制

3.費用対効果を検討する

電子カルテとの連動については、診療予約システムのオプションとして費用がかかります。そのため、導入の費用対効果を検討することが必要です。予約業務にかかるスタッフの人件費や業務時間を定量化し、電子カルテの連動で得られる効果を考慮します。

検討する際には、運用体制の整備やスタッフ教育にかかるコストやシステムの保守費用も含めて判断しましょう。電子カルテとの連動により、予約の取り方を変更しなければならない場合、スタッフの教育や患者への周知など手間が生じます。

連動することで、どのような効果が得られるのかを具体的に検討し、費用対効果を見極めてから導入するとよいでしょう。

電子カルテと連動できる診療予約システムは「MEDICALPASS」

メディカルパス

電子カルテと診療予約システムの連動は、自院の予約形式や患者数、人員状況などを加味し、適切な運用方法を選ぶことが大切です。予約や受付が自動化されることで、新しいルールや手続きが生じ、患者やスタッフの手間が増える可能性もあります。自院の状況に応じて適切な機能を連動できる診療予約システムを選びましょう。

医療専門の予約システムMEDICALPASSは、電子カルテとの連動機能を搭載しています。患者情報(頭書き)からチェックイン、再来予約まで自院に合わせた運用が可能です。

弊社が提供する『メルプWeb問診』や自動精算機『MEDIREGI』も合わせて活用すると、さらなる業務効率化が期待できます。予約管理にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

著者PROFILE

原 拓也
原 拓也スマートクリニック事業推進室長
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、診療予約システムやクリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。

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