MEDICALPASS(メディカルパス)|クリニック専用の診療予約システム

診療予約システム導入のポイントは?メリットや注意点、選び方を解説

解説中のドクター

病院やクリニックなどの医療機関において、予約管理の効率化は患者とスタッフ双方にメリットをもたらします。近年では医療のデジタル化が進み、診療予約システムを導入している医療機関も珍しくありません。

ただ、診療予約システムは多種多様な機能が備わっており、自院の特徴に合わせたシステムを選ぶ必要があります。そのため、「どの診療予約システムを導入すればいいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、診療予約システムの導入を検討している方に向けて、システム選択のポイントやメリット、注意点を解説します。導入のニーズに合わせて、診療予約システム導入のポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

診療予約システムとは?

情報入力中のドクター

診療予約システムとは、病院やクリニックにおける予約管理を効率化し、患者がより便利に予約するためのシステムです。患者自身がWebやアプリを通じて予約をでき、待ち時間の短縮や予約のハードルを下げることにつながります。

また、予約をシステム上で一元管理できるため、ダブルブッキングを未然に防ぎ、クレームの発生を抑止します。さらに、予約に関する電話対応を削減できるため、スタッフの負担軽減や人件費の削減も可能です。

業務効率化やサービス向上に有効であり、患者とスタッフ双方にとって有益なシステムだといえるでしょう。

 

診療予約システム導入のメリット

クリニックの受付

予約管理をスムーズにする診療予約システムですが、導入にあたってはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

メリット①:待ち時間と混雑を解消できる

診療予約システムの導入により、患者自身が都合のよい時間に予約でき、待ち時間削減につながります。院内表示ディスプレイやアプリで診察順や予定時刻をチェック可能なので、待ち時間を柔軟に活用できます。

また、患者自身で予約の多い時間帯を避けるようになるため、院内の混雑が解消される効果もあるでしょう。混雑緩和により、患者の満足度向上や感染リスクの低減につながります。

 

メリット②:予約を均等化できる

導入により、予約を均等化できる点もメリットの一つです。患者自身が混雑を避けて予約することで、特定の曜日や時間帯に予約が集中するということが少なくなります。来院数のムラが少なくなり、スタッフの人員配置計画も立てやすいでしょう。

また、予約状況をリアルタイムで確認できるシステムであれば、急なキャンセルがあっても即時反映されます。キャンセルで空いた枠での予約が可能となるため、無駄のない診療ができます。

 

メリット③:リスクマネジメントにつながる

予約管理がシステム上で一元化されるため、ミスやクレームの防止などリスクマネジメントの効果もあります。

電話予約であれば、患者の情報と照らし合わせながら、自院のツールに入力することが多いでしょう。しかし、転記ミスや入力漏れにつながる可能性があります。診療予約システムを導入すれば、患者の情報とともに予約登録されるので、ミスを防止できます。

また、来院のリマインド機能を活用することで、患者の来院忘れや予約間違いの来院を減らせるでしょう。システムの機能により、クレームやミスによる予約業務の混乱を防ぐ効果が期待できます。

 

診療予約システム導入のデメリット・注意点

悩み男性

診療予約システムの導入により、正確で効率的な予約管理が実現できます。一方で、導入することで生じるデメリットや注意点もいくつか挙げられます。

 

デメリット①:初期費用や月額使用料がかかる

システム導入においては、初期費用や月額使用料がかかります。とくに、初期費用はメーカーやグレードによって、無料~80万程度と大きな幅があります。月額使用料については、1~2万程度が相場といえるでしょう。

グレードによって付帯する機能が異なるため、機能を正しく理解し、予算内で導入できるシステムを選ぶようにしましょう。

 

デメリット②:システムをうまく理解できない人もいる

高齢の患者のように、Web上やアプリでの操作が苦手で、かえって不便に感じる方もいるかもしれません。予約方法がわかりにくかったり、予約欄が見にくかったりすると、離脱につながります。また、予約方法に関する問い合わせが増加し、業務が煩雑化する可能性もあります。

24時間対応で自動音声応答(IVR)で予約できるシステムを付帯しておくと、操作が苦手な人でも予約しやすいでしょう。

また、スタッフの中にも診療予約システムが苦手な人もいるかもしれません。スタッフ全員が機能を十分に理解し、導入後からスムーズに業務を遂行できることが理想です。

そのためには、機能の説明やデモンストレーションを行う時間を余裕を持って取りましょう。繁忙期に導入すると十分な説明ができず混乱を招く恐れがあるため、ゆとりのある時期に導入することがおすすめです。

 

デメリット③:診療ペースをコントロールしにくい

患者自身が自由に予約を取れる一方で、病院側としては診療ペースをコントロールしにくくなる場合があります。予約だけでなく、キャンセルも気軽にしやすくなるためです。

治療の内容によっては、患者が予約を取り直した日時よりも早めの来院を促す必要があるかもしれません。来院を促すときには、電話で連絡する必要が生じるため、業務負担が少し増えてしまう可能性があります。

診察の際には、定期的な通院が必要であることを丁寧に説明することが必要かもしれません。

 

診療予約システムを選ぶときのポイント

問診中のドクター

診療予約システムは、さまざまな種類が存在しますが、どのように選べばよいのでしょうか。基本的には、自院のスタッフとの相性や診療科の特徴、患者とどのような関係を築きたいかを考慮するとよいでしょう。具体的には、以下のポイントを検討することがおすすめです。

  • 予約方法
  • システム面
  • 追加機能

 

ポイント①:予約方法

どういった予約方法のシステムを導入するかは大切なポイントです。自院の患者の傾向や診療科の特徴に応じて選ぶことで、効率的な予約管理につながります。予約方法は以下の3つの方法に分けられます。

順番待ち予約

患者を来院順に受付するシステムです。「1、2、3…」と患者ごとに番号を付与し、来院順に診察を行います。患者にとってもわかりやすく、少し遅れたとしても「順番だから」と納得されやすいでしょう。

ただ、一人あたりの診察時間が読みにくく、長くなる傾向のある診療科では、予約段階で1時間以上の待ち時間が発生することもあります。そのため、皮膚科や耳鼻科など、一人あたりの診療時間が短い診療科でよく導入されている予約方法です。

また、患者にとって、待ち時間中は順番を気にする必要があり、負担となるかもしれません。院内ディスプレイに加えてスマートフォンでも確認できるようにしておくと、待ち時間を柔軟に使ってもらいやすいでしょう。

時間指定予約

一定の時間枠を決めて予約を取る方法です。予約時間や時間帯を指定して予約できるため、患者にとっては待ち時間が生じにくく、心理的な負担を軽減できます。

精神科のように、一人ひとりに時間をかけて診ていく必要のあるところや、歯科などの来院数を読みやすい診療科で導入されています。また、MRIやリハビリなど、専門職が行うメニューが一定の枠で決まっている場合にも適した予約方法です。

一方で、飛び込みの患者が多いクリニックにとっては、向いていません。時間指定予約している患者を優先しないとクレームにつながる可能性があるため、臨機応変に受付することが難しいといえます。また、小児科のように一人あたりの診察時間が予測しにくい診療科にも不向きでしょう。

時間帯予約

10時00分~30分のように、時間帯を指定して予約する方法です。時間を完全に指定するのではなく、大まかな時間帯を指定し、その時間内で診察を行うものです。

時間帯予約は、時間指定予約をより柔軟にした方法といえます。診療科によっては、一人あたりの診察時間にばらつきが生じることがあります。そのため、時間指定で予約をとっていても、診察が長引けば後にずれ込み、患者の不満につながりかねません。

時間帯予約にすれば、時間帯の中での予約であるため、柔軟に調整可能です。診察時間が読みにくい場合でも、導入しやすい予約方法だといえるでしょう。

 

ポイント②:システム面

診療予約システムをどのような形で構築するのかというシステム面も、選ぶ際の重要なポイントです。システム面では、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つがあります。

クラウド型

クラウド上のサーバーで予約データを管理するシステムです。自社でサーバーを設置する必要がないため、初期費用が抑えられます。バックアップを取っておけば復旧可能なので、トラブルが発生してデータが消えてしまった場合でも安心です。

ただ、インターネットを介してデータ通信を行うため、オンプレミス型と比較するとセキュリティ面でのリスクはあります。不正アクセス防止や監視体制など、情報漏洩に対してどのような対策を行っているのかを確認し、導入を検討しましょう。

オンプレミス型

院内にサーバーを構築して予約データを管理するシステムです。自院でシステム構築を行い、ユーザーもスタッフのみのクローズドな環境なので、セキュリティの安全性が高い特徴があります。また、自院で管理できるため、機能を最適化するなど自由にカスタマイズ可能です。

一方で、サーバーを構築するための初期費用が高額となるケースが多く、コストがかかります。さらに、万が一の災害時に巻き込まれた場合、データを消失するリスクもあります。コストとセキュリティのどちらを重視するかをよく検討する必要があるでしょう。

 

ポイント③:追加機能の有無

診療予約システムには、Web上での予約機能に加え追加機能が付帯しています。一例としては、以下のような機能があります。患者満足度の向上や集患、業務効率化など自院の導入ニーズに合わせて選ぶとよいでしょう。

  • LINE予約
  • 自動音声応答(IVR)
  • 院内表示ディスプレイ
  • 電子カルテ連携
  • 非接触受付機能

LINE予約

LINE公式アカウントを利用した予約機能です。新たにアカウント登録をしたり、情報を入力したりする必要なく、友達追加だけで予約ができます。予約だけでなく、予防接種や健診などのお知らせを患者に発信できるため、患者の受診を促すことも可能です。

LINE予約は、患者の利便性や受診率向上に効果的な機能だといえるでしょう。

自動音声応答(IVR)

電話での問い合わせに対して自動で応答できる機能です。あらかじめ録音しておいた音声を再生するので、対応の手間が省けます。また、Web予約の方法がわからない患者からの問い合わせや予約にも対応でき、サービス向上と業務負担の軽減が期待できます。 

院内表示ディスプレイ

順番待ち予約の場合に、予約番号を表示する院内デイスプレイも必要な機能です。表示内容や色、文字サイズなどを自由にカスタマイズできるものを選ぶと、自院独自の画面を設定できます。

また、自動でディスプレイの表示を更新できるデジタルサイネージという機能に対応した予約システムもあります。カスタマイズ性や自動更新など、実務でどのような点が役立つかを導入前に確認しておくとよいでしょう。

電子カルテ連携

電子カルテやレセコンとの連携ができるかどうかも重要なポイントです。電子カルテとの連動ができない場合、患者の情報を転記したり、入力したりする手間が生じます。そのため、入力ミスによるクレームにつながる可能性があるでしょう。

電子カルテと連動していると、予約システムから患者の情報がそのまま連携されるので、手間がかかりません。

非接触受付機能

非接触受付機能とは、アプリのQRコードを読み取るだけで受付が完了できるものです。患者の予約時に必要なQRコードが表示されます。受付対応の手間が省けることに加え、患者にとってはスムーズな受診と感染予防にもつながるでしょう。

 

導入理由別のおすすめ診療予約システム

解説中のドクター

医療機関によって、診療予約システムを導入する理由は異なります。診療予約システムが持つ多岐にわたる機能の中から、自院に適したものを選ぶ必要があるでしょう。導入理由別にどのようなシステムを選べばよいか、3つの観点から解説します。

 

ニーズ①:新患率、再診率を向上させたい

予約管理の効率化だけではなく、集患としても診療予約システムの機能を生かせます。とくに、新患率を向上させたい場合、プラットフォーム型のものを選ぶとよいでしょう。プラットフォームで検索したユーザーからの問い合わせが見込めるため、集患につながります。

また、LINE予約を導入すれば、ワクチンや予防接種のお知らせを発信することで、再診率の向上も見込めます。

 

ニーズ②:患者・スタッフともに使いやすいものを導入したい

患者やスタッフの使いやすさを優先したい場合は、予約画面が一目でわかるようなシステムがよいでしょう。

また、予約の際に患者の情報をどこまで記入してもらうかということも、使いやすさに影響するポイントです。詳しい情報を求めすぎると患者の負担になりますが、情報が少ないと予約管理がしにくくなるかもしれません。スタッフ間でどこまで情報を管理するのが効率的かを話し合った上で導入するとよいでしょう。

さらに、アフターフォロー体制が万全かどうかも重要です。土日も含めた診療日に対応できるか、24時間対応できるかなどを確認しておくことがおすすめです。

 

ニーズ③:予約業務を効率化したい

予約業務を効率化したい場合、自院に合わせた予約方法が可能なシステムを選ぶとよいでしょう。とくに、柔軟性の高い管理方法が可能な方が、突発的な対応や予約の均等化につながります。

例えば、時間指定予約や時間帯予約の場合、システムによっては診察時間内に予約をいれない時間帯を設定できるものがあります。そうすることで、診療時間が後ろにずれた際にも柔軟に対応できるでしょう。

また、特定の枠を優先的に予約受付開始させることも可能な場合があります。利益率の高いメニューから優先的に予約受付し、空いている時間帯は当日に対応できる枠にしておくなど、利益面もカバーしながら効率化できます。

 

使いやすさを追求したいなら「MEDICALPASS」

診療予約システムは、自院の診療科の特徴や患者の傾向、ニーズに応じて慎重に導入を検討する必要があります。自院に合わない診療予約システムだと、患者やスタッフにとってはより負担となる恐れもあるでしょう。

診療予約システムの活用において重要なのは、患者やスタッフにとって使いやすいシステムであることです。

弊社が提供する「MEDICALPASS」は、誰にとってもわかりやすい操作設計を追求した診療予約システムです。使いやすさは当然のこと、予約リマインドや院内表示ディスプレイ、LINE予約など多種多様な機能で、予約管理を効率化します。

実際の運用にかかる準備や導入後のアフターフォローなどサポート体制も充実しています。自院にとって最適な機能がわからないという方でも、ぜひ一度ご相談ください。

著者PROFILE

原 拓也
原 拓也スマートクリニック事業推進室長
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、診療予約システムやクリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。

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