病院の予約は意味がない?待たされる患者の不満を解消する5つの対策

病院の予約は意味がない?待たされる患者の不満を解消する5つの対策

悩む医療スタッフ

「予約時間に行ったのに、2時間も待たされた」「予約しても意味がない」。待ち時間に関して、患者から不満の声を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。予約システムを導入してもうまく機能せず、不満が解消されないケースは少なくありません。

待ち時間に関する患者の不満は、自院に適した予約管理方法で解消できます。本記事では、「予約の意味がない」と言われないための具体的な5つの対策を紹介します。予約管理方法を見直すことで、患者満足度を高めながら業務効率の向上も目指しましょう。

患者から「病院の予約は意味がない」と言われてしまう理由

クリニックの待合室

予約制であるにもかかわらず、なぜ診察・会計待ちが増えたり、診察時間の予測ができなかったりするのでしょうか。以下の3つの理由を説明します。

  • 患者ごとの診療時間が予想しにくい
  • 予約を取り過ぎている
  • 待ち時間に関する情報提供や配慮が不足している

1.患者ごとの診療時間が予想しにくい

診療場面では、診察時間が患者によって異なるケースが少なくありません。一般的に3~5分で終わる診察でも、患者の状態によっては、10~15分以上かかる場合があります。

また、急患対応や緊急処置が必要な患者がいる場合、予定していた診察順が入れ替わることもあります。

ただ、このような診療時間の予想しにくさは、医療現場ではある程度は避けられないものといえるでしょう。

2.予約を取り過ぎている

効率的に患者を診察したいという意図から、一定の時間枠にぎりぎりの予約を入れてしまうことがあります。診察後のカルテ入力時間や処置など、診察以外にかかる時間を考慮できていないと、遅れが生じます。特に、以下のような予約の取り過ぎが多い傾向にあるでしょう。

  • 当日の急患を想定した時間配分でない
  • キャンセルを見込んで過剰に予約を入れている
  • リハビリや検査など他の予約との兼ね合いを考慮していない

予約の取り過ぎは、現状に見合った予約枠に設定し直すなど、クリニック側での調整が可能です。

3.待ち時間に関する情報提供や配慮が不足している

待ち時間自体もストレスですが、「いつまで待つのかわからない」という不透明さも、患者の不満を増大させます。予約システムの仕組みやルールに関する説明が不足していたり、診察順がわかりにくかったりすることが多くの原因です。

また、待ち時間の目安を示すモニターが正確でなかったり、遅れた理由の説明がなかったりすることも不満につながります。

予約のルールや診察が遅れた理由をきちんと説明し、患者に納得してもらうことが大切です。待ち時間に関する説明は、クリニックの取り組み次第で不満の軽減が可能です。

予約患者からの不満を解消する5つの対策

指さす医療スタッフ

「予約しても待たされる」という不満の解消には、クリニックの運営方法や予約システムの使い方を見直す必要があります。予約患者からの不満を解消するには、以下の5つの対策が効果的です。

  • 自院に適した予約方法を選ぶ
  • 現状に応じた予約枠を設定する
  • いつでも順番待ちを確認できるようにする
  • 患者が納得できる説明をする
  • 受付や会計プロセスを効率化する

1.自院に適した予約方法を選ぶ

診療科の特性に合わせた予約方法で運用すれば、予約時間に診察できないという問題を最小限にできるでしょう。

予約方法には、「時間指定予約」「時間帯予約」「順番予約」などがあり、診療科や患者層によって適切な方法が異なります。具体的には、以下の通りです。

予約方法

説明

向いている診療科

時間指定予約

予約時間を指定する予約

(例:10時予約)

歯科・美容クリニックなど、診察時間が予測しやすい科

時間帯予約

時間帯を指定した予約

(例:10時~10時30分予約)

内科・小児科など診察時間にばらつきが出やすい科

順番予約

当日の順番を予約し、

予約順に診察を行う

耳鼻科・小児科など急患対応が多い科

例えば、時間帯予約では、「10時~10時30分の枠内での診察」というように幅を持たせることで、患者の不満を減らせます。平均診察時間が5分であれば、30分枠なら最大6人の予約を入れられますが、4人に抑えておくことで、調整がしやすくなるでしょう。

また、午前中の混雑時は順番予約、空きのある午後は時間帯予約というように、混雑傾向をもとに予約方法を変えることも効果的です。

自院の特性を踏まえた最適な予約方法を選ぶことが大切です。診療科特性を踏まえた予約方法の選び方は、関連記事も参考にしてみてください。

関連記事:クリニックの予約制は必要?メリットと診療科別の運用ポイントを解説

2.現状に応じた予約枠を設定する

患者の不満につながる「予約の取り過ぎ」を防ぐには、来院データを分析し、現状にあった予約枠の設定が必要です。

まずは、診察にかかる平均時間を診療科・症状別に算出し、予約枠に反映させます。例えば、初診では平均15分、再診では平均8分なら、初診と再診の予約枠をわけて管理する方が望ましいでしょう。

3.いつでも順番待ちを確認できるようにする

待ち時間のストレス軽減には、目安時間や順番がいつでもどこでも確認できる仕組みが効果的です。

スマートフォンのアプリやWeb上で待ち状況がわかれば、待合室にいなくても順番を確認できます。また、順番が近づくとLINEから通知が来る仕組みがあると、待ち時間に外出していても安心です。

待ち時間表示のモニターと連携可能な予約システムを導入し、リアルタイムの状況をいつでも確認できるようにしましょう。

4.患者が納得できる説明をする

予約システムの仕組みを患者に理解してもらう説明も大切です。「待たされた」という不満は、クリニック側と患者側の理解に齟齬が生じているケースもあります。例えば、クリニック側が時間帯予約を採用していても、患者は「時間通り呼ばれる」と認識している場合です。

「時間枠内の時間でお呼びします」と予約ルールについて正しく説明し、患者との認識のずれを防ぎましょう。

また、待ち時間が発生した場合は、その理由を丁寧に説明します。「現在、緊急対応のため診察が遅れています」などと具体的な理由を伝えましょう。十分な説明と患者とのコミュニケーションが、待ち時間への不満軽減に役立ちます。

5.受付や会計プロセスを効率化する

診察だけでなく、受付や会計での待ち時間も患者の不満要因です。特に、受付や会計は診察待ちよりも待たされることに不満を感じやすいでしょう。患者の待ち時間と満足度の関連を調べた調査では、以下のように許容できる待ち時間が異なっていました。

  • 診察待ち:37分
  • 受付:18分
  • 計算・会計:10分

受付や会計プロセスの効率化のため、QRコード読み取り機能を搭載した自動受付機や自動精算機を導入することがおすすめです。電子カルテやレセコンと連携しておくと、情報を一元管理できるため、会計処理が短縮されます。

参考:待ち時間と満足度を組み合わせた外来患者調査│日本医療マネジメント学会雑誌

患者を待たせないための予約システム選びのポイント

電話に対応する医療スタッフ

予約方法の最適化や順番待ちの確認など、患者を待たせないための対策には、診療予約システムの導入や見直しがおすすめです。以下の3つのポイントを参考に、適切な診療予約システムを選びましょう。

  • 複数の予約方法を組み合わせられるか
  • Web問診や自動精算機などの効率化サービスと一体か
  • 患者とスタッフへの周知を含めた導入サポートがあるか

1.複数の予約方法を組み合わせられるか

時間帯予約と順番受付の併用や、事前予約と当日来院の患者を一元管理ができるシステムが理想です。診療科や時間帯によって最適な予約方法は異なるため、複数の方法をカスタマイズできるものを選びましょう。

例えば、予約患者は時間帯予約、当日来院患者は順番受付など柔軟な運用が可能なシステムが望ましいといえます。また、急患対応や診察が長引いた場合の調整用として、空の予約枠を設定できる機能も有効です。

複数の予約方法を組み合わせられるシステムで、予約の取り過ぎを防止しましょう。

2.Web問診や自動精算機などの効率化サービスと一体か

予約システムに限らず、診療全体のオペレーションが効率化できるサービスがあるかも確認しましょう。

Web問診や自動受付機、自動精算機などのサービスが一体であるベンダーを選ぶことがおすすめです。システム間の連携がスムーズであり、導入コストも抑えられやすいでしょう。

3.患者とスタッフへの周知を含めた導入サポートがあるか

導入後の具体的なサポートがあるかどうかも重要なポイントです。特に、スタッフへの教育サポートや患者への説明資料など、周知に関するサポートが丁寧かを確認しましょう。

新しい予約方法を導入しても、患者に伝わらなければ意味がありません。また、スタッフに浸透していないと、患者への説明に一貫性がなく、齟齬が生じやすくなるでしょう。

導入後も専任の担当者がバックアップする体制や、診療科の特性に応じたサポート経験が豊富なベンダーを選びましょう。

「“予約してよかった”を実現する」診療予約システムMEDICALPASS

メディカルパス

「予約しても意味がない」という患者の不満は、予約システムの適正化と運用改善により解消できます。適正化のためには、現状を分析し、自院に合わせた予約方法が何かを明らかにすることが大切です。

株式会社ヒーローイノベーションでは、誰にとっても「使いやすい」と感じていただける診療予約システム「MEDICALPASS」をご提供しています。導入前から導入後まで、最適な運用方法を専門のコンサルタントが提案いたします。

さらに、弊社が提供するメルプWeb問診や自動精算機MEDIREGIと連携すると、診察から会計の待ち時間をさらに短縮可能です。

「予約システムを導入しているけど、待ち時間が発生している…」など、予約制にお困りの方は、ぜひご相談ください。

MEDICALPASS

著者PROFILE

原 拓也
原 拓也スマートクリニック事業推進室長
医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、診療予約システムやクリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。

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